消費者金融業界が没落した訳

消費者金融の歴史は、まだまだ浅いのですが、様々な社会問題を引き起こしてきた業界だといえます。本来は、「銀行にかわって個人へ資金を融資してくれる庶民の味方であるはず」なのですが、実際には、マイナスイメージばかりが目立ってしまい、業界自体が没落してしまうことになります。

高金利でスタートした出資法の影響で、サラ金地獄という言葉が世に出回ったこと。

出資法は、今では20%と決められていますが、スタート当時は100%を超えていました。一年間借金を放っておくと翌年には、借金は倍以上になってしまう計算です。

このことで、多くの人が、お金を借りた人も返済が滞り、借金地獄に陥ってしまいました。そして、最終的に自殺を行う人まで出てきてしまったのです。

当時の借金の取立て方法にも、かなり問題がありました。しっかり届出を出して、健全な運営を行っているはずの大手消費者金融でさえ、債務者を自殺に追い込むような取立てをしていたことが裁判で争われるケースもあったほどです。

このような出来事が、社会問題となり、国が解決策を考える程に発展してしまいます。その後、金融庁や裁判所の働きで、借り手側に優しい社会になりましたが、同時に消費者金融側には、かなり厳しい社会になってしまいます。

金利の引き下げは、消費者金融にとっては売上の減少にほかなりません。中小消費者金融は、経営難となり多くが倒産を余儀なくされてしまいます。もちろん、大手消費者金融も銀行などと提携しないと経営が難しくなってしまいました。

消費者金融側だけの問題だとは言い切れませんが、没落の理由は上記に述べた通りです。

没落の始まりは、「過酷な取立てと、高金利」。そして、決定的な事項は、「法改正」です。今は、過去の悪いイメージを払拭する為に、消費者金融自体が様々なイメージアップ戦略を行っていますので、だいぶ世論も変わって来た感じがします。現代の消費者金融は、没落からの復興の最中にあると言えます。

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